ホーム > 恋愛・復縁・結婚 > 僕が立ち直ったきっかけ
入院して二週間。気持ちとは裏腹に体は回復していった。
病院の治療のおかげと、毎日ベットで寝ていたせいだと思う。

検査の結果には以上は見られず、そろそろ退院が迫っていた。

退院後は、またあの空虚な生活にもどるのがイヤだった。

明日退院が決まり、僕はベットの上でイヤーホンを耳につけながらテレビを見ていた。

金の先物取引、悪徳商法の豊田商事事件。彼は略奪したあの男が、金の先物取引に関わっていることを5日間の彼女を探す放浪で調べ上げていた。彼女があの男と知り合ったのは8ヶ月前だということも。

そして彼が見たテレビニュースは衝撃的なものだった。
(そのとき、私もリアルタイムで、その衝撃的なニュースを見ていた)

豊田商事事件。『悪徳商法のチャンピオン』被害者数3万人以上。被害総額1500億以上。
金の先物取引、現物の金を売買するわけではなく、先物取引、いわゆるペーパー商法である。騙されたのは老後のために蓄えたお年寄りが多く。被害も全国規模で広がった。
豊田商事グループの会長であった永野という人物がマスコミのカメラが見守る中でアウトローに刺し殺された。日本刀を持った男二人が、マンションの窓をぶち破って永野がいる部屋に侵入する様子は、衝撃的な映像だった。

彼は殺された永野と彼女を奪った男と重ね合わせて見ていた。
『あの男もこうやって殺されればいい・・』彼は憎悪にみなぎっていた。

そして彼は人を憎むことで、健康を取り戻していった。
あの男と彼女はうまくいくはずがない。きっと彼女はあの男に捨てられるだろう。又はあの男が警察沙汰になる可能性だってある。悪い商売をやっているあいつが、今後彼女を幸せにできるわけない。

その彼女を救ってやるのは僕だ。僕が何年かけても彼女の帰りを待たなければいけない。
彼は憎悪と愛情との狭間で彼女を待つと決めた。
いずれにせよ、彼が生きる活力が湧いてきたのは、彼女に対する、憎しみと愛情である。




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