父親を中心に話が進められた。
こうして彼のお父さんとまじかに何時間も話したことはなかった。
いつも彼の実家では、お母さんが主導で、お父さんがこんなに私を心配してお話をしてくれるとは想像もつかなかった。
彼女は彼のお父さんをますます尊敬した。
そして、沖川との約束。
彼のお父さんに、『彼ともう一度やり直したい。彼と結婚したい』
一歩下がって、頭を下げて、真剣にそのことをお父さんに向かってお願いした。
『分かった・・・』と言わんばかりに、お父さんはうなずいた。
『私たちは賛成します。○○さんが、ここまで真剣に言うのなら、私たちには願ってもないことです。ねぇ母さん』
『ええ、もちろんですよ。私も賛成です。こちらからお願いしたいくらいだわ』
『ただ、息子の意見も聞かないといけません。親が賛成しても、息子の気持ちをないがしろにしてはいけない。私の方からもよく息子に言って聞かせるから、後は二人でよく話し合いなさい。たぶん、ふたりの考え方に食い違いがでて、お互いの気持ちがズレたと思います。そのズレた気持ちは話し合うことで解決できるはずです。息子とよく話し合ってください』
『お父さんありがとうございます』
おもむろに、お母さんはケイタイを手にし、息子に電話をした・
『え・・・』彼女は焦ったが、流れからいってしごく自然の流れだった。その流れを止めることもできず。運にまかせた。
『もしもし、○○。あんた何やっているの、○○さんこっちに来ているわよ。可哀相に一人でみえたのよ』
息子 →『え!・・・』
予想もつかない転回に彼は頭が混乱した。
あとは、どう喋ってか分からず『あー・・とか・・うー・・』とかわけの分からないことを口走った。彼は間違いなくパニクッていた。
お父さんが冷静に電話に出て、諭すように喋った。男同士の会話。彼女には聞き取れなかったが、息子にはうまく伝えたみたいだ。
最後にお母さんが、『あんた今一人、可哀相にこちらは○○さんと三人で楽しくやっているわ、これから三人で外に美味しいもの食べにいってくるよ。じゃあね、今度は○○さんと一緒に来るのよ、いい。』
『お父さん車出して』と、お母さんの一声で、仙台駅のデパートに向かった。
どうやらお母さんには作戦があったみたいだ。
デパートに着くと、お母さんは真っ直ぐに婦人服売り場に向かった。お母さんは嬉しそうに一度やりたかったんだとばかりに彼女の服を選んだ。
『私ね、娘とあーでもないこーでもないと言いながら、娘の服を買いたかったのよ。これなんかどうかしら、○○さんにはお似合いよ』
彼女はお母さんの親切に戸惑いながら、お母さんの気持ちを汲んで、一緒に楽しく買い物を楽しんだ。
傍らでお父さんは、母さん・・・まったくしょうがないな・・・という微笑む気持ちで遠巻きに二人の様子をみていた。
色合いのいい素敵な服をお母さんに買ってもらい。彼女は幸せ感いっぱいの笑顔をご両親にふりそそいだ。
そのあと、仙台の名店でお食事。娘を取り囲んでの夕食だった。
そして、ご両親とのお別れ。
彼女はご両親に深々と頭を下げた『本当に今日はありがとうございました。私、仙台にきて良かったです』
『○○さん今度は息子と一緒においで』
その言葉を聞いて、彼女は『はい』といって泣いてしまった。
お母さんも泣いていた。お父さんは・・・寡黙を装っていたが、大丈夫という眼差しを彼女に向けていた。
彼女を乗せた電車は、一路、東京へ向かう。
そして、このままの事実をここ占い館で話した。
続く。
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涙がでてきました。
幸せになってもらいたいです。