何不自由なく暮らす人生。
自分も若い頃はそれを望んでいた。資産家の息子はいいなとか、才能のある人はいいなとか、コネがある人はいいなとか、幸運に恵まれた人はいいなとか、しまいには宝くじが当たった人はいいなとか思っていた。人は不自由なく暮らす生活に憧れるものだ。自分もそうだし皆さんもそうだと思う。だって余るほどの金があれば、働かなくていいのだから、これに勝る贅沢はない。人は働くのは苦痛だからだ。
もう働かなくていい、なんという素敵な響きだ。一日をフルタイムで自分の好きなことができる、なんという贅沢な生活だ、1年の半分は海外に旅行する、なんというゴージャスな生活だ。世界を旅して、世界を冒険して、世界の文化を堪能して、なんというセレブな生き方だ。日本にいれば北は北海道から南は沖縄までの49都道府県を各一週間ずつかけてゆっくり廻る、なんという思い出深い1年だ。先の不安は何ひとつなく朝から晩まで遊んで暮らせる人生、これは誰しも憧れる。
自分も若いときはこういった生活に憧れていた。だが、贅沢な生活をする資質が自分にないと気づいた。何不自由なく暮らす人生より、必要に迫られて一生懸命働く質素な生活が自分には合っている。今まで生きてきて順調ではなかった。日々困難に道をふさがれ、問題が山積みの人生だった。働けど働けど我が人生楽にならない。サラリーマンのほとんどがそういう人生を送っているし、自分もそういう人生を送っている。
だが最近はそれでいいのだ、と思うようになった。
「順調な人生は人間をダメにする。何不自由なく暮らす人生より、必要に迫られて一生懸命働く人生の方が幸せである」と思うようになった。人は必要に迫られて行動する、のんびりしていられない。人は必要に迫られて行動する、安楽な生活が人間をダメにする。人は必要に迫られて働く、働くから健康で幸せになれる。何不自由なく暮らせば、おそらく病気になり、夢もなくなり、生きる希望も失って不幸になるだろう。人間はどの人も必要に迫られて働くようにプログラムされている。必要に迫られて働くか、逆にそれはいい響きだ。そして、幸せの響きだ。必要に迫られて働く、なんてゴージャスな生き方だ。必要に迫られて働く、なんという思いで深い一生だ。必要に迫られて働く、なんという喜びだ。ここに幸せがあるのに、これを見逃して、セレブな生き方に憧れる自分がバカだった。順調な人生は人間をダメにする。何不自由なく暮らす人生より、必要に迫られて一生懸命働く人生の方が幸せである。
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それが消す方法ありませんかね?(笑)