美しく可憐な女性をめぐって二人の男性がライバルをむき出す。
二人の男性をAとBとしよう。
Aは不良少年の問題児。
Bは秀才のエリート。
まったく異なる二人の男性が一人の女性に一目惚れした。
こういった展開はマンガや映画に多い。
私が懐かしく思うのが、『愛と誠』

、梶原一騎原作・ながやす巧作の「愛と誠」の画像を引用。
このマンガは映画化され大ブームとなった。
不良少年が「誠」
秀才が「石清水」
そしてヒロインが「早乙女・愛」
「愛と誠」は、不良少年の太賀誠、財閥令嬢の早乙女愛、二人の純愛を描いた学園青春漫画
当時の純愛のブームのきっかけとなった作品である。
愛と誠」を取り上げたのは、二人の男性が惚れた女にどういう態度をとってきたかである。
不良少年の誠は「愛」を冷たく突き放し、石清水は盲目の愛で「愛」を支えているところにある。「石清水」は「愛」の気持ちが「誠」にあることに気づいている。そして、石清水は愛に自分の気持ちを伝える。
『君のためなら死ねる』。
線の細い、メガネの秀才が、『君のためなら死ねる』というものだから、この言葉は当時の大きな話題となった。「君のためなら死ねる」これが本気で愛した男の言葉なんだろう。なかなかその言葉を女性に向かっていえる男はいない。
いくら彼女に惚れているからといって、彼女のために死ねる男はいない。だから、その言葉は当時衝撃的だった。
男ととして頼りがいがない、腕力もなく、ただ真面目が取り柄の男が、命がけで一人の女性を好きになる。
「君のためなら死ねる」よくぞいった石清水よ、讃えたものである。
当時の石清水なら本気でそれができただろう。
「愛のためなら死ねことも」できたはずだ。
そして、当時の石清水は、当時の自分だったかもしれない。
憧れは不良少年の硬派な誠だが、現実は石清水。秀才ではないけど、自分の位置はここだと思った。「力ずく」で女を守る「誠」に対し、優しさと思いやりで女を守る岩清水。どちらも本気で「愛」のことを愛していた。どちらも命がけで惚れていた。
このマンガの結末は、誠が命がけで愛を守り、最後は自ら死を選ぶシーンで完結している。最後は悲しく終わる、梶原一騎らしいラストシーンだったが、多くの反響と感動を呼んだ。
命がけで惚れるのが男の一目惚れ。
ところが今の一目惚れは、「お前の中の好きっていったい何なの?」といいたくなるようなレベルしかない。「君のためなら死ねる」という男の愛に最近はお目にかかったことない。それだけ世の中の愛が稀薄になった気がする。
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ケイタイやスマホは小学生の頃から持っていて、ほしい情報はすぐに手に入り、SNSですぐに友だちと繋がる。
何かを手に入れるために、何年も我慢したり死ぬ気で努力したりする機会が極端に減っていると思います。
男女の出会いのバリエーションも増えてるので、一人にかける時間は以前よりもずっと短いかもしれません。
恋愛のファーストフード化が進み、誰かのために死ぬほど努力するなど想像できないかもしれないですね。