小欲のある人は、悩んでばかりいる。
小欲とは、まだ来ない将来について欲望を持つことをいう。なるほど、じゃあ自分もそうだし、ここに来られるお客様もそうですね。皆さん、まだ来ない将来に欲望を持って生きているから。
うまくいっていない彼といつかうまくいくようになりたい。冷え切った二人の関係をまたあの日のような情熱的な愛を取り戻したい。別れた彼とは深い絆と縁があって復縁ができると信じたい。わたしはうまくいっていない彼と将来はうまくいくようになりたい。これが欲望なら、これによって一生悩むのなら、わたしはこのままでいい。わたしはまだ来ない将来に欲望を持つことにする。
まだある。
わたしの彼はダメ男。お金にだらしなく女好き。毎晩酒ばかり飲んでいるアル中の酒乱。毎回オンナと浮気して、私を苦しめる。仕事は長く続かず、転職ばかりを繰り返している。未だにまともな仕事に就いたことがない。こんなクズだが、わたしは彼を愛している。だが、この彼をありのままに受けいれることはできない。わたしが教育して真っ当な一人前の男に育ててみせる。これはわたしの欲望なのかもしれない、だが、これはわたしの欲望ではなく、わたしの希望だ。
まだまだある。
今度は自分について。わたしは自信がない。いつも不安で恐怖に脅えている。わたしには能力もなければ才能もない。わたしはみんなより劣っている。こんな自分がわたしは大嫌いだ。だが、このままでは生きていけない。まだ来ない将来だが、将来は今よりずっとよくなると信じたい。これを欲望というのならわたしは生きる糧を失ってしまう。まだ来ぬ将来だが、未来はきっとよくなると信じて生きたい。
人間が持っている小欲か。
小欲があると一生悩むか。
いいじゃないかそれで。
人間は悩みがあるから成長できる。
人間は将来に欲望を持って生きないと、生き甲斐が生まれない。
まだ、知足のレベルまでいかなくていい。
知足とは、いままでに得たことに満足して心安らかに生きること。ああ、こうして60歳まで生きられて有り難いことだ。大好きな人と出会えてまことに幸福だ。雨風をしのげる家があって、こうして三食無事に食べられて、家族がみんな健康で、もう文句をいうことはなにひとつもない、これを知足の生活という。
今に満足するのは年寄りとお坊さんだけでいい。
知足の生活は、人生の苦労を乗り越えて手に入れた年寄りと、仏に仕えているお坊さんに任せて、われわれはまだ小欲のレベルで頑張るしかない。いままでに得たもので安からに生きるのはまだ早い。これでは成長が止まってしまう。私たちはまだまだ欲望の発展途上国にいたい。小欲を希望に変えて生きるしか方法はない。
実をいうと、私はすでに知足のレベルに達していると思う。
だが私のお客さんは、まだまだ小欲のレベル。小欲だから、悩みが多い。
私の考えでは、ダメ男とは早く別れるべきだが、小欲レベルの人は別れようとしない。しかたがないから話を聞いてあげて、レベルアップを図るしかない。いちばんのレベルアップの方法は、このダメ男との生活を楽しむこと。よくもまあ次から次へと問題を起こす、トラブルメーカーの男子だが、ダメ男と付き合っているあなたにも責任がある。こうなったらこのダメ男は楽しいと思わなければ損だ。どうやって教育するか?どうやって彼の口汚いモラハラ発言に悩まずに乗り越えることができるか?その知恵を手にするチャンスをダメ男から頂いたと思えばいい。ダメ男を乗り越えれば、ダメ女から卒業することができ、あなたのレベルは知足のレベルまで達するだろう。
試練だ、試練だ。
小欲レベルは試練がつきまとう。
まだ来ぬ将来に欲望を持つから試練がつきまとう。この試練を楽しいと思わないと損だ。
こんなの悩みではない。これは試練という遊びだ。だから、楽しもう。
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