見たところ中小の建築系の社長。
腕一本でのし上がった職人気質の風貌。
もちろん、スーツは着ていない。
金のネックレスを首にまとい。
ありとあらゆる指にシルバーの指輪をはめている。
時計はロレックス。
まさしく、それっぽい人だ。
一般の人からは、下品に見るかもしれない。
がたいが横に広く、ちょっと近寄りがたい。
態度も図体も大きく、豪傑さを匂わせている。
一般女子から見れば、「わたしにはちょっと無理」と言われる雰囲気を醸し出している。
おそらく、六本木あたりにそれらしき人がいるだろう。
それっぽい、業界の人が。裸一貫でたたき上げた職人気質の人が。
そういう人には、連れがいる。
腰巾着のようなお供が複数人いる。みんな金目当てに、奢ってもらえるために、集まって来ているのだろう。
彼らの行動は毎晩夜の繁華街に繰り出す。
月の半分はクラブやキャバクラ通い。
お気に入りの店を何件か持っている。
腕一本でのし上がった快男児の行動は、
豪傑ぶって金銭など少しも顧みず、人のものはオレのものという考えがあるので、ハタから見るとちょっとおもしろい。是非、そのまま真の豪傑になってほしいものだ。
だが、そうはうまくいかない。
真の豪傑にはなかなか育たない。
この手の話を何百人と聞いたことがあるが、真の豪傑になった人は少ない。銀座や六本木で武勇伝を振る舞った豪傑たちの末路は、やがて仕事がうまくいかなくなり、借金まみれの地獄化としている、因果応報の天罰が下っている地獄の物語の方が多い。10人のうち9人はそうだ。
でも、彼らは快男児なので、またその地獄の淵から這い上がるだろう。商売がうまくいったり、うまくいかなかったりと、あくまでも豪傑さを忘れない。波瀾万丈の人生が、自分には合っているという生き方を好む。
真の豪傑な人はそうそういない。
彼らは豪傑さを装っているが、金が無くなり、事業が失敗すると、とんでもないクヨクヨ人間となる。メンタルは意外に弱く、金回りの良いときと金欠のときでは性格がまるで違う。連れの腰巾着から金を借り、付き合っている彼女から金を借り、借りた金は返さない。
金の切れ目が縁の切れ目のごとく周りから人が去って行く。真の豪傑とは苦難のときも豪傑であるべきで、弱っているときに下の者から金など借りたりしない。彼らは真の豪傑とは言わない。単なる外道に過ぎない。
真の豪傑になりえなかった彼を助ける人がいる。それは、彼を愛する女性だ。彼女だけが残った。可哀想に・・・と思うだろ?でも、彼女は自分が可哀想だと思っていない。「わたしは弱り切った外道が好き」というくらいだから、彼女の方が真の豪傑かもしれない。
まさしく、この界隈は、おもしろい話がたくさんある。
英雄は色を好むというが、色も英雄を好む。
豪傑な男には豪傑な女が寄り添う。
人は自分と同じ者を引き寄せる。
あっぱれ、豪傑を好む女性たちよ。
彼らを英雄にしてくれ。
あなたの力で。
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