いい想い出はあまり思い出さない。
私もそうだが、皆さんもそうだと思う。思い出す過去は、辛くて悲しい物語ばかり。仕事の失敗や失恋。人に裏切られたり裏切ったり、嘘をついたり嘘をつかれたり、自分の過去は褒められたものではない。穴があったら入りたいほどの恥ずかしい思い出がたくさんある。
どうして過去には嫌な想い出がたくさんあるのだろう。いい想い出もたくさんあるが、脳裏に浮かんでくるのは、どうしても嫌な想い出ばかりが出てくる。
今まではそれが嫌だった。過去の嫌なことを思い出すのは。でも、いまはそれもいい想い出と思うようにしている。
恥ずかしい失恋。
前の晩は眠れず、勇気を振り絞って、好きな人に告白したが、NOと言われた。頭が真っ白で一瞬にして終った。それは相手も気持ち悪かったであろう。告白するまで何日も緊張が続いて体調も悪くしていたから。
前の晩一睡もしないで告白したものだから、目は血走り、顔は狂気じみた怖い顔となり、話し方もオドオドして、何を言っているのかわからない口調で告白するものだから、相手に引かれてしまった。何年も温めていた自分の気持ちが一瞬にして終った。
あああ、恥ずかしい・・・惨めだ・・・終りだ・・・という思いで夜の繁華街をうろつく。メソメソ泣いている自分の姿を通行人は避ける。人気のいない路地で「バカヤロー」と大声で叫ぶが、しっかり誰かに聞かれた。後ろからバカにされているクスクス笑い声。恥ずかしくてその場から逃げるが、逃げても逃げても、バカにされているクスクス笑い声が耳元から離れない。
仕事の失敗。
仕事もぎょうさん失敗した。上司に怒られ、同僚からは使えない奴だと冷たい視線に送られ、「ああ、こんな仕事いつまでもやっていられない!辞めてやる!!」と何度、思ったことか。
人間関係の失敗。
人間関係も嫌な思いをたくさんした。気にくわない上司、気にくわない同僚、気にくわない部下、気にくわない経営者。相手も自分のことが気にくわなかったのだろう。散々いじめられ、足を引っ張られ、嫌がらせを受けた。
いい想い出もあるが、そんなの、思い出せない。悪い想い出のあとに強引にいい想い出を思い出すようにはしている。(ふと)したときは、嫌な想い出ばかりを思い出す。そこで嫌な想い出が出てきたときは、いい想い出もあったと探してみることにしている。
そうか、嫌な想い出ばかりが脳裏に浮かぶか?
苦労してきたからな。
そう考えれば、これは歴史か。
自分の歴史か。
自分の過去には嫌な想い出しか残っていない?それも自分の歴史だ。ならばそれを受け入れよう。あの嫌な想い出があったからこそ今日の自分がいる。それで良かったじゃないか。平坦な道より茨の道の方が人間は成長できるから。
過去の数々の嫌な想い出。悔し涙を飲んだ想い出。恥ずかしいほどみっともないことをした想い出。人を悲しませた想い出。人にバカにされた想い出。書けば書くほど自分がネガティブになってしまうほど、過去には嫌な想い出がたくさんある。
そして、過去の嫌な想い出に縛られるのはもうやめようと思った。
「あれがあったから、自分は成長できているのだ」と今は思うようにしている。
冷静に考えると嫌な想い出もあるが、その100倍はいい想い出があった。
お陰様で、今の自分は気楽に生きている。
今にしては、なにもかもいい想い出だった。
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